当科にて小腸内細菌異常増殖(SIBO)が疑われた5例の臨床的特徴

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<p>【背景】 SIBOは小腸の器質的変化・運動の変化などにより腸管内容物のうっ滞が助長され、細菌が正常より過剰に増殖し様々な腹部症状をきたす疾患とされるが、明確な診断基準はない。</p><p>【目的】 当科のSIBO疑診例からその臨床的特徴と治療法について検討する。</p><p>【対象と評価項目】 当科で2016年7月から2019年5月に臨床所見からSIBOが疑われた5例(男性2例、平均年齢63歳)を対象とし、臨床症状、背景疾患、CT検査所見、内視鏡所見、治療法、臨床経過を評価した。バルーン内視鏡で吸引採取した腸液培養にて細菌数が105cfu/ml以上認めた場合にSIBOと診断した。</p><p>【結果】 臨床症状は、慢性下痢3例、腹部膨満感・腹痛2例、背景疾患は全身性強皮症3例、クローン病1例、肝硬変1例であった。CT検査では全例に小腸拡張(うち3例に壁肥厚)を認めた。内視鏡所見は、腸液が全例で混濁し、絨毛萎縮3例、びらん/潰瘍2例を認めた。腸液培養にて全身性強皮症患者の2例で細菌数105cfu/ml以上であった。クローン病の1例はSIBOの診断基準は満たさなかったが腸液培養でE.coliが104cfu/mlであった。SIBO確診例に対して経口抗菌薬(シプロフロキサシン、スルバクタム・アンピシリン)投与で症状は改善したが、再燃を1例(全身性強皮症)に認めた。</p>

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