当院における<i>MEFV</i>遺伝子関連腸炎小腸病変の検討

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抄録

<p>【目的】 MEFV遺伝子関連腸炎例の臨床背景、小腸病変を検討し、鑑別診断に寄与する。</p><p>【方法】 2019年4月までに札幌医科大学でMEFV遺伝子解析を行った当科16例のうち、遺伝子変異を認めた10例を対象に、消化管病変、臨床背景等を検討した。</p><p>【結果】 診断時年齢48.5(30-76)歳、発症時年齢39(25-71)歳、女性6例。症状は腹痛9例、下痢6例、血便4例、38℃以上周期的発熱6例、関節炎5例、結節性紅斑3例(全例exon2変異)、皮膚限局性アミロイドーシス1例を認めた。初期診断は分類不能腸炎4例、クローン病疑い4例、潰瘍性大腸炎2例等だった。変異はexon1が1例、exon2が5例、exon3が3例、exon5が1例だった。病変局在は胃6例、十二指腸4例、大腸6例で、竹の節状外観やノッチサイン、縦走潰瘍等の他、生検で肉芽腫やfocally enhanced gastritisを認めた例も存在した。小腸病変は7例で、回腸終末部病変6例、回腸主体の広範なびらん・潰瘍5例、ノッチサイン1例を認めた。コルヒチン投与7例は6例が有効ないし寛解で、抗TNFα抗体製剤が投与されていたexon2変異の2例は有効だった。狭窄性病変はなかった。</p><p>【結論】 クローン病と鑑別を要する多彩な小腸病変を認めた。微細病変が多いためカプセル内視鏡が有用で、パテンシーカプセルの事前検査は不要と思われた。</p>

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