書誌事項
- タイトル別名
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- THREE CASES OF TRANSURETHRAL RESECTION OF THE BLADDER TUMOR (TURBT), PERFORMED FOR BLADDER TUMOR ON THE ANTERIOR WALL, WITH BLADDER RUPTURE OCCURRING AFTER DISCHARGE
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説明
<p>膀胱前壁の膀胱腫瘍に対しTURBTを施行し退院後に膀胱破裂が生じた3例を報告する.症例1は68歳男性でTURBT後10日目に血尿があり排尿時に血餅を排出しようと腹圧を加えた際に右下腹部痛が生じた.CTで膀胱腹膜外破裂を認めたため尿道カテーテルを留置した.病理診断で筋層浸潤を認め1カ月半後に膀胱全摘除術を試みたが癒着のため前立腺は残さざるをえなかった.症例2は82歳男性で筋層浸潤性膀胱腫瘍で放射線治療の既往があった.TURBT後2週間目の外来受診時に頻尿を訴え血液検査で腎機能障害を認めた.CTで腹水貯留を認め尿道カテーテルを留置したところ腹水は消失したが,翌日のCT再検で尿道カテーテルの先端部を腹腔内に認め,膀胱腹膜内破裂と診断した.緊急手術を行い,破裂部を縫合し大網被覆を行い,膀胱瘻も造設した.症例3は83歳男性で前立腺肥大症を有しBCG膀胱内注入の既往があった.TURBT後6日目に排尿後に下腹部痛が生じCTにて膀胱前腔に液体貯留を認め膀胱腹膜外破裂と診断し尿道カテーテルを留置した.6日目に尿道カテーテルを抜去したが翌日,下腹部痛が出現したため尿道カテーテルを再留置した.膀胱前壁や頂部の腫瘍に対するTURBTでは,骨盤部に放射線治療やBCGの膀胱内注入療法の既往がある場合や前立腺肥大症などの排尿障害を有する場合には退院後も膀胱破裂に注意する必要があると思われた.</p>
収録刊行物
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- 日本泌尿器科学会雑誌
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日本泌尿器科学会雑誌 110 (1), 22-27, 2019-01-20
一般社団法人 日本泌尿器科学会