幼児の口腔習癖と保護者の歯科保健行動との関連性

  • 佐藤 琴花
    日本歯科大学東京短期大学専攻科 歯科衛生学専攻
  • 須田 真理
    日本歯科大学東京短期大学専攻科 歯科衛生学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Correlation between children’s oral habits and parents’ personal oral hygiene practices
  • ヨウジ ノ コウコウ シュウヘキ ト ホゴシャ ノ シカ ホケン コウドウ ト ノ カンレンセイ

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説明

<p> 近年,歯科医師や歯科衛生士が幼児に対する歯科健康診査の場において,咬合状態や口腔習癖に関する相談を受ける機会が多くなっている1).口腔習癖は口腔環境に悪影響を及ぼすことから,さまざまな対応法が必要である.本研究の目的は,口腔習癖の発現しやすい3 ~5歳の幼児の口腔習癖の保有と家庭環境,幼児と保護者の歯科保健行動の関連を明らかにし,口腔習癖の発現率の低下や,保護者の歯科的知識,関心度を向上させることができる歯科保健指導に活用することである.</p><p> アンケート調査の対象は,神奈川県秦野・伊勢原地区で開催された「歯と口の健康週間事業」に参加した5歳児※)の保護者86名と,東京都内のK保育園に通園する3 ~5歳児※)の保護者31名の合計117名で,83名から有効な回答を得た.</p><p> 幼児が保有している口腔習癖は,「咬爪癖」が29名(22.8%)と最も多く,「特になし」は29名(34.9%)であった.現在までに消失した口腔習癖は,「吸指癖」が10名(40.0%)と最も多く,「特になし」は58名(69.9%)であった.また,保護者の仕上げ磨きの頻度と,幼児の咬爪癖の保有の有無には統計学的に有意な関連がみられた.これらの結果から保護者が,保護者自身と幼児に対し良い歯科保健行動をとることで,幼児の口腔習癖の発現抑制,消失に繋がることが示唆され,歯科衛生士が,幼児のみならず保護者への歯科保健行動のアプローチを徹底することの重要性が明らかとなった.</p><p>※)5歳児に関しては,誕生日の関係上すでに6歳を迎えていた幼児も調査対象者として含んでいる(以下説明省略).</p><p></p>

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