原発巣の局所進展が腸管壊死の一因となり得た閉塞性S状結腸癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Obstructive Sigmoid Colon Carcinoma which may have been Caused by Local Progression of the Primary Foci of Intestinal Necrosis

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説明

<p>症例は84歳男性。数日前に前医で大腸内視鏡検査を受けS状結腸癌と診断された。腹痛と嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した。腹部全体に圧痛,筋性防御を認め,血液生化学検査はWBC 16,690/μL,CRP 1.12mg/dLであった。腹部CT検査ではS状結腸に全周性壁肥厚と口側腸管拡張を呈した。また腫瘍から連続しS状結腸動脈沿いを中枢側にむかう不整な高吸収域を認め,腫瘍の局所進展と考えられた。閉塞性S状結腸癌の診断で緊急開腹手術を行った。S状結腸に腫瘍を触知し,口側腸管は30cm長の連続する黒色壊死所見を呈した。壊死腸管を含むS状結腸を切除し,単孔式人工肛門を造設した。摘出標本では,腫瘍中心を境界として口側結腸粘膜の黒色変化を認めた。原発巣の局所進展が腸管壊死の一因として考えられた閉塞性大腸癌の報告は過去になく,貴重な症例と考えられ文献的考察を加え報告する。</p>

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