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- 小川 睦美
- 日本大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The Count-Mass Distinction and English Articles
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抄録
<p>本論文では, 英語の冠詞習得における可算・不可算の区別の影響について調査し, 第二言語(L2)冠詞習得研究の中でのその重要性を論じる.L2での冠詞使用は, 定性(definiteness)や特定性(specificity)という文脈情報や, 第一言語(L1)の影響の観点から広く議論されてきた.一方で, インプットや名詞の語彙的情報などの要因はそれほど注目されてこなかった.ここでは, まず先行研究を概観し, 定性や特定性だけでは説明しきれないL2冠詞使用の現象を取り上げる. そして, インプット頻度や手がかり(cue)のデータを提示し, インプットにおける名詞句の種類と形式のパターンによって, それらの現象が説明できることを指摘する.次に, 本論文では冠詞に関連する素性([±definite], [±count], [±plural])が, それぞれの冠詞の選択にどの程度寄与するのかを調査し, L2学習者にとって定性より可算・不可算の区別の習得の方が困難であることを主張する.その上で, L2学習者にとって正しい冠詞, 特に不定冠詞かゼロ冠詞かを選ぶのが難しいとされる抽象名詞の習得に関する問題を見ていく. 動詞由来の抽象名詞を取り上げ, 境界(boundedness)という語彙意味的性質もしくは名詞の派生タイプが可算性判断に影響を及ぼすのかを検証する.実験の結果, その二つの要因はL2学習者による可算性判断に関係がないことがわかり, 可能性としてL1からの影響が指摘された.最後に, 習熟度の低い学習者は文脈情報に頼ることなく, 名詞の可算性を直感で判断するという主張について検証する.L2学習者による文脈なしの名詞単体に対する直感的可算性判断と, 文脈を与えられた名詞に対する冠詞の使用を比較した結果, 学習者の多くが直感と冠詞の使用を結びつけているという傾向は見られなかった.直感に頼る学習者も中にはいたが, どのような学習者が直感に頼る傾向にあるかということに, L2習熟度は関係がなかった.本論文の結論として, 名詞特性はL1からの影響を受けやすく, 冠詞の使用にも影響を及ぼすため, L2冠詞習得の全体像を把握するためにも, 名詞特性の影響は綿密な実証研究が必要なことを強調したい.</p>
収録刊行物
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- 第二言語
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第二言語 18 (0), 47-69, 2019
日本第二言語習得学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134825712896
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- NII論文ID
- 130007795250
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- NII書誌ID
- AA1260638X
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- ISSN
- 21870047
- 1347278X
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- NDL書誌ID
- 030203702
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可