心電図モニターのテクニカルアラーム低減による医療安全への取り組み

書誌事項

タイトル別名
  • IMPROVING MEDICAL SAFETY BY REDUCING FALSE ALARMS ASSOCIATED WITH ELECTROCARDIOGRAM MONITORS
  • 臨床報告 心電図モニターのテクニカルアラーム低減による医療安全への取り組み
  • リンショウ ホウコク シンデンズ モニター ノ テクニカルアラーム テイゲン ニ ヨル イリョウ アンゼン エ ノ トリクミ

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説明

急性期病院の一般病棟において,心電図モニター(以下,モニター)のテクニカルアラームの低減を目指した看護師への安全教育と新たなモニター管理体制の構築により,アラーム対応遅延による医療事故を回避することを目的とする.A病院のB病棟(40床)に配属する看護師33名に対して,モニターアラームに関する安全教育を行い,新たなモニター管理体制を構築した.安全教育の内容は,モニター装着の必要性とアラーム設定,モニターの基本設定,電極の適切な管理などである.また,新たなモニター管理体制の構築として,アラーム設定基準の明確化やアラームの上下限設定条件の定期的な確認のほかにモニターアラーム監視責任者を設定し,モニター管理体制の改善を図った.これらの効果の測定は,①モニター装置に蓄積されたテクニカルアラームの発生頻度,②モニター管理チェックリスト(以下,チェックリスト)の実施割合,③アラーム対応遅延に関連したインシデント・アクシデント発生件数,の3点であり,介入前後で比較した.チェックリストの実施割合は78.6%から98%に上昇し.テクニカルアラームは55%の軽減を認めた.アラーム対応の遅延によるインシデント発生はなく,アクシデントは前年度4件から0件へと顕著に減少した.テクニカルアラーム低減への安全教育および新たなモニター管理体制の構築により,早急に介入の必要がないアラーム音の減少および緊急性の高いアラームへの対応が促進された結果,アラーム遅延による医療事故の予防につながった.

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