根室海峡標津沿岸域におけるクロロフィルa 並びに環境要因の季節変動

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal Variations of Chlorophyll a and Environmental Factors off Shibetsu in the Nemuro Strait, Eastern Hokkaido
  • ネムロ カイキョウ シベツ エンガンイキ ニ オケル クロロフィル a ナラビニ カンキョウ ヨウイン ノ キセツ ヘンドウ

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抄録

2009年から2013年まで根室海峡標津沿岸域において,水温,塩分,栄養塩,クロロフィルa の調査を行った.晩春か ら晩秋にかけては宗谷暖流水の影響を受けた水が存在し,晩秋から春季には寒流である東樺太海流水や親潮水の影響を受けた水が存在していた.栄養塩の濃度は晩春から晩秋までは低く,晩秋から春季には高かった.2月から5月にかけて大型(>10μ m)の珪藻類による春季ブルームがみられた.春季ブルームによるクロロフィルa 濃度の最大値は調査点や年により違いがみられたが,5ヶ年間での最大値は27μg L-1であった.春季ブルームにともない栄養塩濃度の著しい減少がみられ,窒素態栄養塩が春季ブルームにおける制限要因となることが示唆された.さらに,貧栄養な状態の春季ブルーム後から晩秋までは大型の植物プランクトンが多く,栄養状態のよい晩秋からブルーム前の春季までは小型(<2μ m)や中型(2~10μ m)が多いという,従来の知見とは異なる結果もみられた.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 53 (1), 73-85, 2015

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

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