広域定期観測 に よる有明海水環境 の 現状

書誌事項

タイトル別名
  • Current  Water Environment of  Ariake Bay  Observed  from Routine  Surveys
  • コウイキ テイキ カンソク ニ ヨル アリアケ カイスイ カンキョウ ノ ゲンジョウ

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説明

1998年以降,毎年秋季から初冬にかけて大規模な赤潮が発生し,ノリの色落ち被害が起きている有明海で,縦断方向に約3km間隔で設定した13ヵ所の調査地点で2002年4月から2003年4月に合計10回行った水質調査の結果の概略を示す.調査期間中,2002年7月および10月に,最大面積が600km^2を超える大規模な赤潮が,いずれも最奥部の佐賀県から福岡県および熊本県北部の沿岸域で発生した.その発生過程は,有明海奥部海域へ流入する河川水で表層が低塩分化して塩分成層が形成され,そこへ大量の栄養塩が流入して栄養塩濃度がDINで40μmolL^<-1>,DIPで2μmolL^<-1>を超えるような高濃度に達し,大規模な赤潮が発生した.つまり,表層の低塩分化による成層構造が形成された時,その表層に陸域から大量の栄養塩が流入して極端な富栄養化状態が一時的に発生し,植物プランクトンが急速に増殖して赤潮へと発展した.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 42 (1), 35-42, 2004

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

被引用文献 (4)*注記

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