書誌事項
- タイトル別名
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- Restoration Process of Blue Infrastructures Supporting Coastal Fisheries along the Sanriku Coast after the Huge Tsunami
- サンリク ノ エンガン ギョギョウ オ ササエル ブルーインフラ ノ オオツハ ゴ ノ フッコウ カテイ
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説明
2011年3月11日の東日本大震災は,東北地方の沿岸に甚大なる被害を与えた.津波は,沿岸漁業の社会的インフラである,港,市場,漁船,養殖筏はもちろんのこと,魚介類の再生産の基盤である沿岸のエコトーンであり自然的インフラである藻場など(本論文ではブルーインフラと定義)にも被害を及ぼした可能性があった.そこで,岩手県大槌湾および宮城県志津川湾において,藻場の被害状況とその後の変化を調べた.海藻藻場の被害は大きくなかったが,2014年からは震災後に加入したウニによる磯焼けが生じており,積極的な駆除を行う必要がある.砂地に生育するアマモでは,津波の波高が大きくなったために壊滅的な被害を受けた湾奥部では,2011年6月に埋土種子から実生に生長しており,アマモ場の回復が始まっていた.また,地形的に津波による被害を受けにくい湾央や湾口にあるアマモ場は残っていた.これらのアマモ場は種子供給源になるため,次の大津波に備えて保護することが望ましい.津波と地盤沈下により埋め立てで失われていた塩性湿地や干潟というブルーインフラは再生したが,復旧の埋立や巨大防潮堤などの工事で消滅した.繰り返される将来の大津波に備え,次世代のために持続的で健全な海洋環境および社会を育む沿岸域を実現するという視点から,ブルーインフラの回復を織り込んだグランドデザインを平時につくる必要がある.
収録刊行物
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- 沿岸海洋研究
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沿岸海洋研究 54 (2), 117-127, 2017
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134827527552
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- NII論文ID
- 130007797511
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- NII書誌ID
- AN10492259
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- ISSN
- 24344036
- 09143882
- 13422758
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- NDL書誌ID
- 028019250
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可