4年間盗癖のあった中1男児の相談について母への精神療法である程度の改善を見た一例

書誌事項

タイトル別名
  • IMPROVEMENT NOTED IN A SEVENTH GRADE BOY WITH A FOUR-YEAR HISTORY OF KLEPTOMANIA FOLLOWING SYSTEMIC THERAPY FOCUSING ON HIS MOTHER
  • 症例研究 4年間盗癖のあった中1男児の相談について母への精神療法である程度の改善を見た一例
  • ショウレイ ケンキュウ 4ネンカン トウヘキ ノ アッタ チュウ 1 ダンジ ノ ソウダン ニ ツイテ ハハ エ ノ セイシン リョウホウ デ アル テイド ノ カイゼン オ ミタ イチレイ

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説明

<p>児童精神科の臨床現場では子ども本人が受診を嫌がる,外に出られない,親が子どもに話を聞かせたくないなどの理由で親だけで受診したいと希望するケースが少なくない。しかし親が医療機関に問い合わせると子ども本人が来ないと治療ができないと言われ,親が困っているケースに出会う。そこで筆者は患者本人が通院できない症例に対して,患者本人がいなくても治療が可能と言われるシステムズアプローチを用いて治療を行い,その有効性について検討した。本症例は4年間の盗癖を主訴に初診時は患者と母で来院したが,家族の背景から患者は2回(1回は診察,1回は心理士による心理検査)しか来院できず,実際に筆者が患者に会えたのは1回のみで,それ以降は母だけが通院することになった。そこで筆者はそれ以降母に対してシステムズアプローチによる精神療法を行い,患者の盗癖の症状と家族関係のある程度の改善が見られた。今回の精神療法で用いたシステムズアプローチは親だけが受診する場合にも治療を行える可能性があるため,児童精神科臨床において一度は試みられるべき方法であると考える。</p>

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