1日推定食塩摂取量と食事習慣上の課題を用いたがん患者における虚血性心疾患の栄養指導の効果判定

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  • Determination of the effectiveness of nutritional guidance based on estimated daily salt intake and identification of dietary habit issues to prevent ischemic heart disease in patients with cancer

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本研究は1日推定食塩摂取量(随意尿)と食事習慣上の課題を用いて虚血性心疾患を有するがん患者の栄養指導の効果を判定した。対象は静岡がんセンター循環器内科において2018年4月から2019年3月までに塩分摂取過多が疑われる患者のうち初めて心臓カテーテル検査(CAG)を受け、次回診察日に栄養指導を実施できた18症例とした。栄養指導方法は塩分計量を用いず、食事習慣上に塩分が含まれている食品の使用頻度の改善を指導した。1日推定食塩摂取量と塩分コントロールの必要のある区分(食材、調理、食卓)の頻度を比較した。全18例(男性14例)の年齢は74才(50-85)であった。1日推定食塩摂取量が改善していたのは11例に見られ、非改善症例に比して塩分コントロールの必要のある区分のうち食材の頻度に相対的な減少が認められた(p <0.05)。両群のがん病期stageと消化器系の部位別に差は見られなかった(p =0.56、p =0.63)。がん患者における虚血性心疾患では塩分計量を用いない食事習慣上の栄養指導に効果を得られる可能性がある。本研究は、がん病期stage に隔たりなく治療に向きあおうとしている患者のモチベーションを管理栄養士の視点から支持する取り組みであり、1日推定食塩摂取量が食事習慣に内在している食材の塩分コントロールに照らした指導法により効果が得られる可能性を示した。

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