重複腎動脈を認めた腎血管性高血圧に対して経皮的腎動脈形成術を施行した1例

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タイトル別名
  • A case of percutaneous transluminal renal artery angioplasty for renovascular hypertension with multiple renal arteries

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説明

<p></p><p> 症例は71歳男性.冠動脈バイパス術後,高血圧,軽度腎機能障害で通院中であった.降圧薬増量にもかかわらず徐々に血圧上昇を認め,治療抵抗性高血圧を認めていた.腎動脈エコーおよび腹部MRアンギオグラフィー(MRA)を施行したところ,両側腎動脈起始部に狭窄を認めた.難治性高血圧を有する腎血管性高血圧に対して,経皮的腎動脈形成術を施行する方針とした.大動脈造影を施行したところ,左腎動脈が大動脈から2本分岐していることを確認することができた.そして,右腎動脈および左上・下側の腎動脈ともに起始部に狭窄を認め,特に左上側の腎動脈は遅延造影を伴う99%狭窄であった.まずは右腎動脈に対して経皮的腎動脈形成術を施行し,1カ月後に左重複腎動脈に対してそれぞれ経皮的腎動脈形成術を施行した.本症例では,腎動脈エコー・腹部MRAでは重複腎動脈の存在を確認できなかったが,手技の最初に大動脈造影を施行することで,造影遅延を伴う腎動脈狭窄を見逃すことなく確認できた.重複腎動脈を認めた腎血管性高血圧に対して経皮的腎動脈形成術を施行し得た貴重な症例を経験したので報告する.</p><p></p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 51 (3), 339-345, 2019-03-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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