SfM 多視点ステレオ写真測量による過去の空中写真からの 三次元地形モデルの構築

DOI オープンアクセス
  • 清水 裕太
    農研機構 西日本農業研究センター 農研機構 農業情報研究センター
  • 松森 堅治
    農研機構 西日本農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Reconstruction of digital elevation model based on historical aerial photos using SfM-MVS technique

説明

本研究では1970 年代の空中写真と写真測量用ソフトウェアを使用して,圃場整備前の地形を集落スケールで復元し,その再現精度を検証することを目的とした.過去の空中写真を用いて,SfM-MVS 手法による過去の三次元地形モデルを構築した結果,地表面には写真あるいは点群作成時に生じたと思われる不規則なノイズが多数出現し,除去が前処理として必要であることが明らかとなった.本研究では,GIS ソフト上で測定した等高線の線分長が100 m 以下のものを除去するフィルタリングによるノイズ除去,および点群編集ソフトウェア上で移動最小二乗近似平滑化・再構築によるノイズ除去を試みた.前者では,細かなノイズが除去され棚田の地形を再現しているように見えたが,等高線が鋸状になっている場所も見られた.一方,後者でも細かなノイズが除去されたが,平滑化処理により等高線が滑らかになりすぎる結果となった.目的に応じてノイズ除去方法の選択とパラメータの設定を行う必要が示された.検証点17 地点での誤差の検証の結果,高さ方向は最大1.45 m となった.平地では0.23 m と比較的誤差は小さかったが,起伏の大きい傾斜地の特に山際において過小評価することがあった.圃場整備計画図との比較では,棚田群の地形は概ね再現できていた.これらの結果,精度の向上は今後必要であるが,過去の地形図が手に入らない場合に,過去の地形を復元する方法の一つとして本研究で示した方法は有用であると考えられた.また,過去の地形図が存在していた場合でも,紙の劣化が激しいことが予想され,手作業で判読しデジタル化に要する時間は非常に大きい.この点についても容易に入手可能な空中写真から半自動的に地形を復元することは作業時間も従来法より短縮でき,かつ汎用性も高い.ただし,高さ方向の誤差は最大で1.45 m となり,これらの誤差範囲で問題ない用途には用いることができる.

収録刊行物

  • 新近畿中国四国農業研究

    新近畿中国四国農業研究 3 (0), 1-7, 2020

    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構西日本農業研究センター

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390565134838191616
  • NII論文ID
    130007814234
  • DOI
    10.24755/westernagrires.3.0_1
  • ISSN
    2433796X
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ