Social relationships among all individuals from infants to extremely old monkeys in the Arashiyama group of Japanese macaques
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- Ishikawa Hiroki
- 大阪大・人間科学
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- Yamada Kazunori
- 大阪大・人間科学
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- Nakamichi Masayuki
- 大阪大・人間科学
Bibliographic Information
- Other Title
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- 嵐山ニホンザル集団におけるアカンボウから超高齢個体まで全個体の社会関係
Abstract
<p>本研究では,20歳を超える高齢個体が特異的に多い嵐山ニホンザル集団において,0歳のアカンボウから36歳の超高齢個体までの集団内すべての個体 (2018時点で109頭) を対象とし,社会関係の発達変化を横断的に明らかにすることを目的とした。2018年2月9日から9月15日までの80日間に,スキャンサンプリング法によって,327セッションの観察を行い,他個体との毛づくろい,接触,2m以内の近接を記録した。セッション間には最低でも20分の間隔をあけて観察を行った。未成体期 (0-4歳) から成体期 (5-19歳) になると,毛づくろいを行う頻度は増加するが,高齢期 (20-25歳),超高齢期 (26歳以上) となるにつれて減少していた。しかし,他個体との近接頻度は成体期と高齢期の間に差はなく,超高齢期になって減少した。つまり,20-25歳の高齢個体は,毛づくろいではなく,近接によって他個体と交渉しているということがわかった。非血縁個体との近接関係に着目すると,未成体期と高齢期,不妊老体期では自身と年齢の近い個体と偏って近接していたが,成体期ではどの年齢差の小さい相手から大きい相手まで偏りなく近接していた。未成体期での社会関係では同年代の相手との遊び関係が多いが,出産を経験する成体期では,自身の子を主な交渉相手とするために同年代個体との関係が疎遠になると考えられた。しかし,高齢となり出産をしなくなった個体は,再びかつての遊び仲間との関係を密にすることがわかった。以上の結果から,高齢個体の多く生存している嵐山集団では,高齢個体にとって交渉相手となる同年代の個体が多く生存しているため,従来は20歳頃から確認される社会的孤立化が生じにくくなっている可能性が示唆された。</p>
Journal
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- Primate Research Supplement
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Primate Research Supplement 35 (0), 30-30, 2019-07-01
Primate Society of Japan
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134838203904
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- NII Article ID
- 130007813543
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed