胸腺摘出術後に血球貪食性リンパ組織球症を合併したGood症候群

書誌事項

タイトル別名
  • Good’s syndrome developing hemophagocytic lymphohistiocytosis following thymectomy
  • 症例報告 胸腺摘出術後に血球貪食性リンパ組織球症を合併したGood症候群
  • ショウレイ ホウコク キョウセン テキシュツ ジュツゴ ニ ケッキュウドンショクセイ リンパ ソシキキュウショウ オ ガッペイ シタ Good ショウコウグン

この論文をさがす

抄録

<p>症例は,68歳女性。2018年12月に近医で胸腺腫と診断,当院の外科で摘出術が施行され,WHO分類でtype AB胸腺腫と診断された。術後より全身倦怠感,食欲不振,体重減少を認め,2019年5月に内科を受診した。その際の血液検査で低γグロブリン血症およびBリンパ球低値を認めた。また,骨髄検査では形態異常を認めず,フローサイトメトリー解析では,B細胞関連の表面マーカーであるCD19, CD20がいずれも著明に低下し,T細胞関連の表面マーカーのCD4およびCD4/CD8比も低値であった。Good’s syndromeと診断し,免疫グロブリン補充療法を施行したが,感染を契機に血球貪食性リンパ組織球症を合併した。HLH2004 protocolに準じて治療を行うも,敗血症による多臓器障害のため死亡した。Good’s syndromeは液性免疫および細胞性免疫不全の両方の機能異常を認める複合免疫不全症のため,重症の感染症を合併しやすく予後不良である。定期的な免疫グロブリンの補充療法と,感染の予防・早期発見が重要と考えられる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (3), 268-273, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ