LiDAR 1-m DEMを利用した豪雨による表層崩壊危険度マップの作成
書誌事項
- タイトル別名
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- A risk map of shallow landslide caused by heavy rain using LiDAR 1-meter DEM
説明
<p>山口県防府市の剣川流域で2009年に発生した豪雨による崩壊イベントを対象として,LiDAR 1-m DEMを用いた崩壊発生状況の解析を行った。解析には浸透流解析などの雨水流出モデル(水文モデル)と斜面安定解析にもとづく崩壊危険度評価モデル(斜面安定モデル)を組み合わせた,降雨による表層崩壊の予測に有効な物理的経験モデルの一つであるSHALSTAB (Dietrich et al., 2001) を用いた。</p><p>LiDAR 1-m DEMとSHALSTABを用いれば,土層厚や透水係数の空間分布といった,崩壊発生プロセスを検討するのに重要ではあるが手に入れることが難しいデータがなくても,少ない仮定値(パラメータ)で相対的な危険度をある程度評価することが可能である。一方,このような解析を行う際には,勾配や流域面積といった基本的な地形量や,実験室で測定する透水係数の値が,評価に大きな影響を与える。しかし,個々の崩壊地におけるこれらの値の適切な取得方法については確立されておらず,理論・観測両面からの研究を進める必要がある。</p><p>例えば,今回の検討において実験室で測定した透水係数は,このような流域全体の水文環境を考える上での透水係数とは一桁程度合わず,そのままSHALSTABのようなモデルに使うには注意が必要であった。そこで,同様の問題を指摘している内田ほか(2009)で示されている,水文観測データから計算により推定された飽和透水係数を参考に透水量係数Tを設定し,その結果を2009年の崩壊発生分布データから得られる値を用いて検証したところ,崩壊の発生状況を降水量の視点からよく再現することができた(図1)。</p><p>このようにして得られた結果にもとづき,この流域の表層崩壊の危険度評価マップとなり得るものを作成した。その結果,地形学的に従来定性的に崩壊発生可能性が高いと予想される領域を,定量的に降水量と結び付けて抽出・可視化することができた(田中ほか 2020)。</p><p></p><p>文献</p><p>Dietrich et al., 2001. In: Wigmosta and Burges (Eds.), Land Use and Watersheds: Human influence on hydrology and geomorphology in urban and forest areas, Water Science and Application 2, AGU, 195-227.</p><p>内田ほか 2009. 砂防学会誌,62(1), 23-31.</p><p>田中ほか 2020. 地域学研究,33,(印刷中).</p><p></p><p>謝辞:LiDAR 1-m DEMデータは,国土交通省中国地方整備局山口河川国道事務所より提供頂いた。本研究は科学研究費基盤研究B (19H01371),基盤研究C(課題番号16K01214)の助成を受けて実施した。</p>
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2020s (0), 170-, 2020
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134842494720
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- NII論文ID
- 130007822073
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可