日本に上陸した台風の位置や強度の長期変動
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- 久保田 尚之
- 北海道大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Long-term variability of location and intensity of tropical cyclone landfall in Japan
説明
<p>はじめに</p><p> 西部北太平洋域では台風の位置や強度に関する情報が1945年以降、4つの気象機関によって提供されている。一方、過去の気象データを復元する「データレスキュー」の取り組みで、19世紀まで遡り台風経路情報や気象データを収集し、日本に上陸した台風を復元してきた(Kubota 2012; 熊澤ら2016)。今回はさらに1878年まで復元し、台風上陸数だけでなく、上陸位置や強度の100年スケールの長期変動について報告する。</p><p></p><p>2. 台風データ</p><p></p><p> 日本列島で1000hPa以下を観測した場合を台風上陸と定義し、全期間統一した定義を適応して台風上陸データを復元した。上陸地点は最も低い気圧を観測した地点とした。台風強度は陸上での最低海面気圧を用いて、台風の最大風速と中心気圧の関係(Atkinson and Holiday 1977)から、最大風速を求め、Annual Power Dissipation Index(APDI:最大風速3乗を年積算)を利用した。解析期間は1878年‐2019年である。</p><p></p><p>3. 結果</p><p></p><p>日本に上陸した1878-2019年の年間台風数を示す(図上に。2013年以降毎年4個以上上陸しているが、1970年代から2000年代は上陸数が少なかった。それに対して、1880年代から1960年代は上陸数が多い傾向が見られた。図(中)に上陸した地点の東西分布の時系列を示す。1970年代以降は平均的に上陸地点が東へシフトする傾向が見られる。これは統計的に99%有意である。一方で、1920年代も東へシフトしており、台風の上陸地点は100年程度の周期で東西変動が見られる。図(下)は台風強度のAPDIの時系列を示す。台風強度についても1970年代以降は有意な増加傾向が見られ、強度は44年間で37%増加していた。一方で、1930年代から1960年代も台風強度は強い傾向が見られる。台風強度の変動は、1970年代以降は上陸地点の変動と同様の傾向が見られるが、それ以前は周期が異なっている。</p><p>日本の気象台は1872年に函館ではじまり、全国に展開し、1907年には100地点を超えた。時期により地点数に差があるため、地点数と観測頻度の品質検証を行った。観測地点や頻度が少ない1882年の条件を全期間に適応し、比較検証した。台風強度の1970年代以降の強化傾向は1882年の条件でも同様に有意であり、地点数や観測頻度に依らないことが裏付けられた。</p>
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2020s (0), 231-, 2020
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390565134842586240
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- NII論文ID
- 130007822166
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可