1970年代生まれはなぜ結婚しないのか?

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タイトル別名
  • Why decline marriage rates of the generation born in 1970s in Japan?

抄録

<p>日本社会で進行する少子化の主因は未婚率の上昇にある。また,東京大都市圏では地方圏より出生率が低く,人口の一極集中が少子化を加速させている。若い世代は女性の社会進出の結果「結婚を選択しなくなった」のか,男性の経済力低下のため「結婚できなくなった」のか。本研究の目的は,地域格差と世代格差の視点から,都道府県別に推定した所得と未婚率の地域分析により,この二つの仮説を検証することにある。対象とするコーホートは就職氷河期(1993〜2004年)に大学卒業期を迎えた1970年代生まれの世代である。彼らが35〜39歳時点(2010年と2015年)における未婚率を目的変数とし,所得水準と就業環境を説明変数とする二通りのモデルで重回帰分析(MLS)をおこなった。使用するデータは国勢調査の人口と就業構造基本調査の年収である。地域による性比の偏りや都市化の程度をコントロールした上で,男の所得が低いまたは女の所得が高いほど両者の未婚率が高い傾向があり,二つの仮説はいずれも支持される。特に,就職氷河期における非正規雇用の拡大は男の所得水準低下をもたらし未婚率の上昇に寄与したと考えられるが,女の就業継続可能性に関する変数が未婚率に及ぼす影響は十分確認できなかった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390565134842654720
  • NII論文ID
    130007822054
  • DOI
    10.14866/ajg.2020s.0_163
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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