ポリスチレンスルホン酸カルシウム内服中の慢性腎不全患者に発症したS状結腸穿孔の2例

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  • Two Cases of Sigmoid Colon Perforation Induced by Calcium Polystyrene Sulfonate in Chronic Renal Failure Patients

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抄録

<p>ポリスチレンスルホン酸カルシウム(calcium polystyrene sulfonate:以下CPS)は腎不全患者の高カリウム血症に対して使用される陽イオン交換樹脂製剤であり,硬便を形成し便秘の原因となる.また,重篤な副作用として腸管穿孔の報告がある.今回,CPS服用中の慢性腎不全患者に発症したS状結腸穿孔の2例を経験した.症例1は血液透析中の88歳,女性.S状結腸に穿孔を認め腸間膜内に便塊が貯留していた.症例2は慢性腎不全で透析導入前の73歳,女性.S状結腸に潰瘍性病変を認め腸間膜に穿通していた.いずれも手術を施行し,病理所見にて穿孔部にCPS結晶を認めた.慢性腎不全患者は,尿毒症や動脈硬化による血流障害により腸管壁は脆弱傾向にあり,腸管内圧の上昇により腸管穿孔するリスクが高い.特にCPS服用症例は,服用期間に関係なく発症することがあり,開始時からの適切な排便管理が予防上重要である.</p>

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