教育・研究で支える地域医療における医薬品情報

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抄録

日常的な臨床上の疑問を持ったとき、頭の中に調査ストラテジーが浮かび、実際に調査し、得た情報を評価して、判断する必要がある。情報化社会において、これは、決して難しいことではなく、この能力は、地域医療においても薬剤師のvital skillsだと考えている。名城大学では、この能力の育成を複数学年にわたり、段階的に行っている。3年生では、「医薬品情報学」の講義と6日間の実習を行っている。処方箋と問診票に14種類の問題点(有効性評価、腎機能に対する投与量、副作用発現の可能性、他院との薬の重なり、有効性・安全性モニタリング、母乳への移行など)を内包させ、それぞれの問題点の調査に適切な情報源から情報を入手し、得た情報を評価し、問題解決の計画を立てさせている。この実習を通し、情報源と情報の評価の仕方を学ぶ。さらに、4年生においては、「薬物治療マネジメント」において、10症例のProblem based learning (PBL)を通じて、さらに実践的に薬物療法の有効性・安全性評価を行う中で、医薬品情報の収集と評価を行っている。研究面での取り組みとしては、薬局で日常的に発生する薬歴、レセプトの情報を利用し、安全対策に利用可能な情報を日常的に継続的に収集し、解析して、あらたな情報を創成する仕組みの構築に着手している。

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