ローマ字書字とタイピングに乖離を示した左前頭葉損傷の 1 例

  • 山田 晃司
    医療法人社団進和会 旭川リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 橋本 竜作
    北海道医療大学 リハビリテーション科学部 言語聴覚療法学科
  • 立岡 愛弓
    医療法人社団進和会 旭川リハビリテーション病院 リハビリテーション部
  • 幅寺 慎也
    医療法人社団進和会 旭川リハビリテーション病院 リハビリテーション部

書誌事項

タイトル別名
  • Left Frontal Lobe Damage with Dissociation between Romanized Japanese Spelling and Typing Abilities : A Case Study

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説明

<p>  左中前頭回から下前頭回, 島前方の損傷後に漢字と仮名の書字障害を呈した軽度失語症例において, 仮名やローマ字の書字とタイピングについて検討した。症例は 73 歳, 右利き男性。発症前からタッチタピングが可能であった。本例に仮名とローマ字の書き取り・タイピング課題を実施した結果, 書き取り課題の成績のみ低下を認め, その誤反応は直音に比べ, 特殊音に多かった。このことから本例は「音節-仮名文字書記素」および「音節-ローマ字書記素」への変換障害が示唆された。本例は発症前からタイピングに習熟していたことから, 「音節-ローマ字書記素」の変換処理を介さずに, 「モーラ-タイピング運動」へと変換する独立した機能単位が構築されていた可能性がある。それゆえ, ローマ字の書字障害とタイピング能力の保存といった状態を呈したと考えられた。</p>

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参考文献 (12)*注記

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