日本語の親しい三者間の会話に見られるブレイド・ストラクチャー(編み込み構造)の考察

書誌事項

タイトル別名
  • “Braid Structure” Conversations:Development of Informal Triadic Conversation in Japanese

この論文をさがす

抄録

<p>本研究ではテレビのトークショーから抽出した親密な三者による会話を扱い,そこに頻繁にみられる他者の発話の繰り返し,パラフレーズ,及び協同発話(co-construction)の3つの言語実践を分析する.この3つは話者たちの発話や思考,さらに話者同士を結び付け,協調的に会話を展開させる機能を共有する.それは話者たちが互いの発話に容易にアクセスし,それを自己の発話に気軽に組み込んだり(繰り返し,パラフレーズ),相手の未完成の発話の続きを察してそれを補うこと(協同発話)によって達成される.またこれらの言語実践は頻繁に共起・共働し,日本語の親しい者同士の会話の協調的かつ友好的(bonding)な性質を強化する.以上の分析結果から,日本語の親密な三者による会話では,特に会話の盛り上がり部分において話者たちが互いの発話を絡め合わせ,まるで三つ編み(ブレイド)を編むかのように会話を展開することを指摘する.この類似性から,話者たちの発話が密接に絡まり,つながり,話者同士も結束していく会話構造の在り方をブレイド・ストラクチャー(編み込み構造)とし,モデルを提示しながら親密な話者による日本語会話の協調的な会話展開の在り方を説明することを試みる.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ