加速度センサを用いた手動車いす走行時の身体的負担評価手法の提案

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  • Physical Strain Evaluation of Manual Wheelchair Driving by Accelerometer

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抄録

スマートデバイスの普及により,実世界の人間行動データの収集・活用が容易となった.本論文は手動車いすユーザのスマートフォンによって計測される加速度データから,車いす走行時の身体的負担(以下負担)を定量的に評価する手法を提案する.スマートフォンに搭載された加速度センサのみを用いて負担を評価することで,身体に筋電計などの各種生体センサを取り付ける従来の手法に比べて手軽な負担評価が可能となり,多人数・長時間・広域にわたる大規模な負担データを蓄積することが可能となる.蓄積された負担データは,移動時間などの従来の経路評価指標とは異なる新たな指標によるナビゲーションや,高齢者・障害者にとって低負担のまちづくり指針作成といった用途に活用することができる.提案手法の特徴は,漕ぎ行動の推力によって生じる加速度の変化量の違いから負担を定量化する点にある.本論文では11名合計4.5時間分の車いす走行データを収集し,加速度の変化量と心拍数の相関係数や絶対誤差の分析を通して,提案手法が車いす走行時の負担を評価するための新たな手法になりうることを確認した.

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