崩壊時間の遅延をもたらす酸化マグネシウム錠の吸湿が錠剤の表面構造に及ぼす影響

  • 松尾 泰佑
    岩手医科大学薬学部医療薬科学講座創剤学分野
  • 葛西 流聖
    岩手医科大学薬学部臨床薬学講座臨床薬剤学分野
  • 荒川 亮
    日清オイリオグループ株式会社中央研究所研究企画課兼研究第3 課
  • 平舩 寛彦
    岩手医科大学薬学部臨床薬学講座臨床薬剤学分野 岩手医科大学附属病院薬剤部
  • 佐塚 泰之
    岩手医科大学薬学部医療薬科学講座創剤学分野
  • 工藤 賢三
    岩手医科大学薬学部臨床薬学講座臨床薬剤学分野 岩手医科大学附属病院薬剤部
  • 富田 隆
    帝京平成大学薬学部薬学臨床教育研究センター病院薬学ユニット

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Moisture Absorption on Tablet Surface Structure in Magnesium Oxide Tablets
  • ホウカイ ジカン ノ チエン オ モタラス サンカ マグネシウムジョウ ノ キュウシツ ガ ジョウザイ ノ ヒョウメン コウゾウ ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

説明

<p>酸化マグネシウム錠は速崩壊性の錠剤であるが,吸湿により崩壊遅延を引き起こす.その理由として,酸化マグネシウムが吸湿時に粉体粒子間の固体架橋を引き起こすことが原因である可能性が考えられている.また,酸化マグネシウムのみで作製した錠剤では,吸湿により錠剤表面の構造変化が生じることが明らかにされている.しかし,上市されている酸化マグネシウム錠には様々な添加剤が含まれており,それらの錠剤での吸湿による表面構造の変化はこれまで報告されていない.本研究では,酸化マグネシウム錠の一つであるマグミット® 錠の表面にはマイクロスケールでの凹凸構造が存在していることを見いだした.錠剤表面の凹凸構造は,水との接触面積を増大させ,素早い崩壊性に関与していると考えられたが,この構造は吸湿による崩壊遅延を引き起こした場合においても変化しないことが明らかになった.</p>

収録刊行物

  • 薬局薬学

    薬局薬学 12 (1), 20-24, 2020

    一般社団法人 日本薬局学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ