ラグランジアン的にみた植物プランクトンブルーム

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タイトル別名
  • Spring Phytoplankton Bloom from a Lagrangian Framework
  • ラグランジアンテキ ニ ミタ ショクブツ プランクトンブルーム

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抄録

春季に起きる植物プランクトンブルームは海洋生態系を支える一大イベントである.これまで,ブルームの発生の有無 は海面混合層の深さがコントロールパラメータだと考えられてきた.しかし近年,乱流混合の強さの重要性も提唱されて いる.ブルームの発生メカニズムの検証にはNPZD モデルが幅広く活用されているが,海洋の流れ場と結合させる際, Eulerian Framework に基づいて行われている.そのため物質循環(生態系)の視点をもつLagrangian Framework からはブ ルームの発生メカニズムについて十分に検証されてこなかった.そこで粒子追跡モデルを用いたラグランジュ型のNPZD モデルを新たに開発し,ブルームが発生する際の海面付近における有光層と海面混合層の深さ,そして乱流強度の重要性 を検証した.モデル実験からは栄養塩が有光層に滞在する総時間がコントロールパラメータであることが明らかになっ た.乱流強度・海面混合層の深さは,この総滞在時間を変化させることでブルーム発生の有無を左右するパラメータと なっていることが明らかになった.

収録刊行物

  • 沿岸海洋研究

    沿岸海洋研究 57 (1), 73-75, 2019

    日本海洋学会 沿岸海洋研究会

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