LIPH 遺伝子変異を認めた常染色体劣性縮毛症/乏毛症の 2 例

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タイトル別名
  • Two Cases of Autosomal Recessive Woolly Hair/Hypotrichosis with <i>LIPH </i>Gene Mutations

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説明

<p>3 歳,男児(症例 1 )と13歳,女子(症例 2 )の LIPH 遺伝子変異を認めた常染色体劣性縮毛症/乏毛症の 2 例を報告した。自験 2 例はいずれも,ダイレクトシークエンス法で解析した結果,LIPH 遺伝子のエクソン 6 に,736番目の塩基がチミンからアデニンに変わることで246番目のアミノ酸がシステインからセリンに変わる変異と,742番目の塩基がシトシンからアデニンに変わることで248番目のアミノ酸がヒスチジンからアスパラギンへ変わる変異が,複合ヘテロ接合型で同定された。同じ遺伝子変異であったが,症例 1 では逃避全体に縮毛,乏毛を認めたのに対して,症例 2 では縮毛は頭部全体にみられたものの,乏毛は頭頂部には見られず,縮毛/乏毛の範囲や程度は異なっていた。同じ遺伝子変異であっても,その表現型が異なることがあるが,修飾遺伝子や一塩基多型の違いなどの関与の可能性が示唆されているものの,詳細は現時点では明らかでない。関連する遺伝子や脂質メディエーターの解析が進み,今後明らかになることが期待される。 (皮膚の科学,18 : 283-288, 2019)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 18 (5), 283-288, 2019

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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