ラムシルマブによる化学療法中に発症したくも膜下出血の1例

  • 大村 一史
    国立病院機構豊橋医療センター脳神経外科 岐阜県立下呂温泉病院脳神経外科
  • 竹中 俊介
    国立病院機構豊橋医療センター脳神経外科
  • 酒井 秀樹
    国立病院機構豊橋医療センター脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Subarachnoid hemorrhage during chemotherapy with ramucirumab: A case report

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説明

<p>要旨:我々はラムシルマブによる化学療法中にくも膜下出血(subaracnoid hemorrhage: SAH)を発症した症例を経験した.64 歳男性.嘔吐と意識障害のため搬送され,精査により脳動脈瘤破裂によるSAH と診断した.大腸がんに対してラムシルマブによる化学療法中であり,創傷治癒遅延や出血のリスクを考慮し,破裂脳動脈瘤に対して,直達手術ではなく血管内治療を選択した.しかし,術後に意識障害や右半身麻痺,失語を認めたためMRI を施行すると,多発性脳梗塞を認めた.神経症状は徐々に消失し,後遺症なく退院となった.抗VEGF(vascular endothelial growth factor)薬による化学療法中に発症したSAH の治療の際は,その副作用を念頭に置き,慎重な治療法選択と十分な合併症対策が必要である.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 42 (3), 162-165, 2020

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (6)*注記

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