長期に持続した失声症への介入:ひそひそ声で話し合い,独り言で暮らしましょう

  • 石原 辰男
    ふじわら心のクリニック 立命館大学心理・教育相談センター

書誌事項

タイトル別名
  • Therapeutic interventions for a client with aphonia persisting over a long period: “Let’s talk in a whisper,” and “let’s talk about your daily behaviors to yourself”

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説明

<p>2年半以上持続した失声症状の改善要因を明らかにするため,ある事例の検討を行った。クライエントは,セラピストの提案により無声音での会話(ひそひそ声で話すこと)や自分の行動を自分に向けて言語化すること(独り言)を課題として続けた。その結果10か月ほどで正常な音声で話せるようになった。改善要因を検討したところ,ひそひそ声で話すなどの「利用」を用いたことで改善への意欲が維持され,また独り言は「注意のそらし」として機能し,発話の無意識化を促したものと考えられた。このことから,効果的な介入は「利用」や「注意のそらし」であることが示唆された。</p>

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