治療後に髄膜に広範囲に広がった若年性黄色肉芽腫に非血縁臍帯血移植が著効した小児のランゲルハンス細胞組織球症

  • 迫 正廣
    厚生会第一病院 大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科
  • 石井 武文
    石井こどもクリニック 大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科
  • 岡田 恵子
    大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科
  • 望月 貴博
    希望の森発達成長クリニック
  • 原 純一
    大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科
  • 工藤 耕
    弘前大学医学部 小児科
  • 今宿 晋作
    宇治徳洲会病院 臨床検査部

書誌事項

タイトル別名
  • Successful unrelated cord blood transplantation for extensive meningeal juvenile xanthogranuloma developing after treatment of Langerhans cell histiocytosis in a child
  • 症例報告 治療後に髄膜に広範囲に広がった若年性黄色肉芽腫に非血縁臍帯血移植が著効した小児のランゲルハンス細胞組織球症
  • ショウレイ ホウコク チリョウ ゴ ニ ズイマク ニ コウハンイ ニ ヒロガッタ ジャクネンセイ オウショク ニクゲシュ ニ ヒケツエン サイタイケツ イショク ガ チョコウシタ ショウニ ノ ランゲルハンス サイボウ ソシキキュウショウ

この論文をさがす

抄録

<p>ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)発症時2歳4ヶ月の男児。頭蓋骨LCH病変に対し化学療法を施行するも頻回再発を来した。5歳4ヶ月頃から頭痛,霧視,嗜眠傾向が出現,頭部MRIにて巨大な髄膜腫瘤を認めた。生検結果はLCHでなくjuvenile xanthogranuloma(JXG)であった。BRAF V600E変異がLCH組織にもJXG組織にも認められ,これらの腫瘍は同一起源であると考えられた。進展した頭蓋内JXG(CNS-JXG)に対し,局所ステロイド,放射線治療(24 Gy)やVBL単剤,さらに2-CdAによる化学療法を試みたが効果を得られず,マクロファージ活性化症候群(MAS)も呈したため10歳11ヶ月時に緊急で非血縁臍帯血移植を施行した。移植経過は順調でday42に生着を確認,移植後4ヶ月にわたりインフリキシマブ(レミケード®)とリポ化ステロイド(リメタゾン®)を継続的に投与・漸減した。CNS-JXGは移植後4年の経過を経て消失した。その後,LCH,JXGとも再発なく25歳の現在,社会人になり男性ホルモンの補充療法は継続しているが,特に支障なく経過している。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (5), 468-473, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ