連載:北部九州地域経済の予測分析 -第9 回- 交通事故と自動車普及率からみる福岡の交通環境

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タイトル別名
  • 北部九州地域経済の予測分析(第9回)交通事故と自動車普及率からみる福岡の交通環境
  • ホクブ キュウシュウ チイキ ケイザイ ノ ヨソク ブンセキ(ダイ9カイ)コウツウ ジコ ト ジドウシャ フキュウリツ カラ ミル フクオカ ノ コウツウ カンキョウ

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抄録

地域経済を考えるうえで,最も重要な要素のひとつは「自動車」である。ただし,ここで考えるのは,産業としての自動車産業ではなく,地域経済を支える交通インフラとしての自動車交通である。 言うまでもなく自動車交通が地域に与えてきたインパクト,地域経済への貢献は極めて大きい。日本においては,1960 年代後半の高度成長期にはじまるモータリゼーションの進展によって,自家用車が他の家電製品などと一緒に各家庭に普及した。このモータリゼーションにともない,自動車を運転することで目的の場所に自由に容易に移動することが可能になり,都市域の拡大や交流人口の増加や物流機能の高度化によって地域経済の発展に大きく貢献することとなった。 ただし,そのような自動車の利用による直接的なメリットやその生産や販売による経済効果だけではなく,一方では渋滞や環境問題に代表されるようないくつかの外部不経済を生み出してきたといえる。本稿ではそのような自動車による外部効果の中で,交通事故による死傷者数に着目して分析する。内閣府の調査(内閣府政策統括官,2012)によると,平成21 年の交通事故による損失額は約6 兆3,340 億円,対GDP 比は1.3%と算定されている。このことからも分かるように,交通事故が地域経済に与える影響は決して小さくない。

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