2016年8月の台風10号による久慈川の洪水被害に流木が果たした影響

書誌事項

タイトル別名
  • Damage attributed to floating trees during flooding of the Kuji River due to Typhoon No. 10 in August 2016
  • 2016ネン 8ガツ ノ タイフウ 10ゴウ ニ ヨル クジガワ ノ コウズイ ヒガイ ニ リュウボク ガ ハタシタ エイキョウ

この論文をさがす

抄録

本研究は,日本自然災害学会の著者らの報告 Vol.36.No.4(2018)をもとに,2016年の台風10 号による久慈川の洪水氾濫が流木による大きな被害であったことを述べている。この研究では,もしこの洪水において流木が橋梁に捕捉されていなければ被害は大規模にならなかったという仮説に基づいている。著者らはこの仮設を明らかにするため水文学的な河川の観測施設の資料,洪水時とその2年後の河川や橋梁の写真資料を調査した。これらの資料を岩手県および Google Earth を使い収集した。 更に,タンクモデルによる流出解析により St.1観測地点の2015年の流量の算定を行い,同時に,タンクモデルのパラメータを決定した。また,マニング式により算定した流量をもとに水位・流量関係を作成した。粗度係数は2016年の総流量を再現するためにマニングの逆解析により算定した。同様な方法で,堤防で越水のあった St.2観測地点の水位・流量関係を算定している。 著者らは流出解析を行い,堤防からの越水があったかどうか推察している。もし,流木が橋梁で捕捉されていなければ久慈川の洪水に伴う氾濫被害は発生しなかったか,被害は少なかったことを推測している。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ