ニチニチソウ実生苗へのコルヒチン処理によって得られた周縁キメラの倍数性と葉形との関係

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between Polyploidy and Leaf Shape in Colchicine-derived Periclinal Chimeras of <i>Catharanthus roseus</i> (L.) G. Don
  • ニチニチソウ ミショウ ナエ エ ノ コルヒチン ショリ ニ ヨッテ エラレタ シュウエン キメラ ノ バイスウセイ ト ヨウケイ ト ノ カンケイ

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抄録

<p>四倍体の育成は花や果実の大型化や草丈のコンパクト化,耐病性や環境耐性の付与に加えて,花粉稔性の低下を目的とした三倍体の育成など,園芸育種を行う上で極めて有用である.しかし,コルヒチンなどによる染色体倍数化処理では完全な四倍体個体を得るためには一定の選抜過程が必要となる.本研究において,ニチニチソウの実生個体に対するコルヒチン処理によってL1,L2,L3の各層が2xと4xの組織で構成されるキメラ個体が得られ,それらの各層の倍数性と葉形との関係を調査した.キメラを含む倍数化個体の獲得率はコルヒチン10 mM(DMSO 5%)の24時間処理が最も高かった.得られた倍数化個体の葉のL1~3の各層の倍数性と葉幅/葉長比との関係を調査した結果,L1とL3層の倍数性は葉幅/葉長比に関与していなかった.L2層が2xで構成されている葉に対して,4xで構成されている葉は丸みを帯びて葉幅/葉長比が有意に大きくなり,葉形の決定にはL2層の倍数性が関与していた.生殖細胞はL2層が起源であることから,葉幅が広く円形を示すキメラ個体間での交雑あるいは自殖によって四倍体を固定できる可能性が示された.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 19 (2), 115-120, 2020

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (12)*注記

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