ドローンを用いた過渡応答空中電磁探査装置の開発 - D-GREATEM,D-TEM[GLS],D-TEM[ALS] -

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タイトル別名
  • Development of airborne transient electromagnetics system using Drone : D-GREATEM, D-TEM[GLS], D-TEM[ALS]
  • ドローン オ モチイタ カト オウトウ クウチュウ デンジ タンサ ソウチ ノ カイハツ : D-GREATEM, D-TEM [GLS], D-TEM [ALS]

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抄録

<p>上空を飛行するだけで地下構造を可視化できるのは画期的であり,従来技術では空中電磁探査がこれに該当する。しかしながら同手法は,調査機材の重量が非常に重いためにヘリコプタを必要とし,飛行許可に関する届け出,安全対策等を含めた運用コストがかかり,これまでに大規模な広域構造調査に用いられるのが一般的であった。従来手法の問題点を克服して空中電磁探査を小規模な調査にも適用するために,今回,我々はヘリコプタに代わりドローンを使用した探査手法を開発した。ドローンに搭載する機材の軽量化を念頭に,探査対象深度や調査地区の条件に合わせて使用できるよう3種類の装置を開発した。そのうち2種類は地上に送信源を設置するタイプの装置であり,D-GREATEMは線状に伸びる調査地区に,D-TEM[GLS]は平面的な広がりを持った調査地区にそれぞれ適している。一方,地上の送信源を必要としないD-TEM[ALS]は,2機のドローンを使用したシステムである。検証調査において,ドローン空中電磁探査で得られる比抵抗断面図は,従来の電気探査による結果と整合的であることが明らかになった。また,取得データを検討した結果,D-GREATEMとD-TEM[GLS]の探査深度は100m以上であり比較的深い深度を探査できることも分かった。一方でD-TEM[ALS]は100mより浅い探査深度であるが,地上送信源の配置が困難な地区における調査に向いている。本開発手法は,いずれも従来のヘリコプタでの調査と比較すると,浅部の小規模な地下構造を対象とした調査に向いているほか,低い対地高度を維持することで表層付近の構造の分解能を高めることが可能である。また,電気探査のような従来の地上探査と比較すると,本開発手法は測定効率が飛躍的に高く,運用コストを抑制することが可能である。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 73 (0), 83-95, 2020

    社団法人 物理探査学会

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