小児・思春期の再発難治急性リンパ性白血病に対するがん免疫療法の現状

  • 今井 千速
    新潟大学大学院 医歯学総合研究科小児科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Current status of cancer immunotherapy for relapsed/refractory acute lymphoblastic leukemia in children and adolescents in Japan
  • ショウニ ・ シシュンキ ノ サイハツ ナンチ キュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ ニ タイスル ガン メンエキ リョウホウ ノ ゲンジョウ

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抄録

<p>造血器腫瘍に対して免疫学的機序を持つ新規薬剤が次々と登場している。長らく急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia, ALL)の分野への新薬導入はほとんどなかったが,近年,CD19を標的とし患者T細胞を活性化して殺細胞効果を発揮するブリナツモマブ,CD22を標的として殺細胞薬を選択的にデリバリーするイノツズマブ・オゾガマイシン,そして同じくCD19を標的とするCAR-T細胞療法チサゲンレクルユーセルが欧米豪に続いて本邦においても承認された。従来,再発難治ALLに対しては抗がん剤による再導入療法と同種造血細胞移植のみが根治を目指せる治療であったが,大きく様変わりしようとしている。本稿では,これら治療薬の臨床開発を振り返り,小児・思春期における位置づけについて考察した。現時点でこれらの治療の選択アルゴリズムは確立していないため,それぞれの利点と欠点を十分に理解しつつ,個々の症例での治療方針を決定することが重要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (6), 673-681, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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