東北北部に位置する秋田県における播種量増加と無加温出芽を組み合わせた省力育苗による水稲生育の特徴と安定生産

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タイトル別名
  • Characteristic of Stable Production of Paddy Rice by Labor-Saving Seedling Raising Technique which Increase Sowing Density in a Greenhouse Without Warming in Akita, Northern Tohoku Region in Japan
  • トウホク ホクブ ニ イチ スル アキタケン ニ オケル ハシュリョウ ゾウカ ト ムカオン シュツガ オ クミアワセタ ショウリョク イクビョウ ニ ヨル スイトウ セイイク ノ トクチョウ ト アンテイ セイサン

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抄録

<p>水稲栽培においては規模拡大の中で省力化が求められ,移植栽培では特に育苗の省力が求められるが,秋田県においては安定生産の観点から中苗移植栽培が多い.そのため省力と安定生産の両立を目的に2014年~2016年に秋田農試において試験を実施した.水稲品種「あきたこまち」と「めんこいな」を用いて,育苗箱への播種量を乾籾換算で180 gとして育苗用ビニルハウスにおいて無加温で育成した苗は,播種量を100 gとして同様に育成した慣行の中苗と比較すると,葉齢は0.3~0.8少ないものの4.0以上を示し,中苗相当となった.移植に用いた育苗箱枚数は,慣行の中苗の64~77%と少なく,省力化が図られた.水田に移植後の生育は,慣行の中苗と比較して,分げつの発生が1つ上位節までみられ,発生数は多かった.2次分げつの発生数も多く,最高分げつ期の茎数は多くなり,穂数は多くなった.幼穂形成期から成熟期までの生育ステージは0日~3日の遅れで,同程度と考えられた.登熟期間中の葉色は同等から高く維持された.試験した3カ年において穂数が多く総籾数が増加したことから収量は同等から多く,玄米品質である整粒率と精玄米タンパク質含有率は同等で収量増加による品質低下はみられず,省力と安定生産を両立する栽培技術として実証できた.</p>

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参考文献 (14)*注記

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