過マンガン酸カリウムと硫酸バリウムの共沈現象を利用する水中硫酸イオンの目視比色定量

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タイトル別名
  • Visual Colorimetric Determination of Sulfate Ion in Water Using Coprecipitation Phenomenon of Potassium Permanganate and Barium Sulfate
  • カマンガンサン カリウム ト リュウサン バリウム ノ キョウチン ゲンショウ オ リヨウ スル スイチュウ リュウサン イオン ノ モクシ ヒショク テイリョウ

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抄録

<p>硫酸バリウムの沈殿析出時に液中に過マンガン酸イオンが共存すると,硫酸バリウムと混晶を生じて沈殿が紅色を呈する現象が報告されている.これを応用し,水試料中の硫酸イオンを目視比色法によって現場で簡便に定量する方法を開発した.試料水1.5 mLにあらかじめ過マンガン酸カリウムを添加し,続いて塩酸酸性下で塩化バリウムを添加して硫酸バリウムの着色懸濁物を析出させた.さらに還元剤としてアスコルビン酸を添加して母液中に残存した過剰の過マンガン酸イオンを無色化すると,懸濁物の色調が観測可能となり硫酸イオン濃度に依存して懸濁液が紅色の濃淡変化を呈した.あらかじめ作成した標準色列との目視比色により,現場における1分間以内の操作で硫酸イオン濃度50〜2000 mg L−1の概略値が判定可能であった.本法を生物脱硫装置より採水した実試料に適用し,当該装置の運用管理に資する良好な結果を得た.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 69 (6), 311-316, 2020-06-05

    公益社団法人 日本分析化学会

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