A Modern Instanceにおける禁酒思想 ーその科学的・宗教的側面

書誌事項

タイトル別名
  • Scientific and Religious Aspects of the Temperance Movement in A Modern Instance
  • A Modern and Instance における禁酒思想--その科学的・宗教的側面
  • A Modern and Instance ニ オケル キンシュ シソウ ソノ カガクテキ シュウキョウテキ ソクメン

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説明

ウィリアム・ディーン・ハウエルズのA Modern Instance(1882)は、離婚をテーマ化した小説として読むことができるのと同時に、登場人物の離婚までの過程で、主人公の進行する飲酒習慣についてもしばしば言及する。物語が展開する時代である1870年代後半は、アメリカ合衆国で「女性キリスト教禁酒同盟」の活動が活発化した時代でもあり、同作品が飲酒習慣についての言及を含み、それにより禁酒思想の一端が示されているとしても不思議ではない。本稿では、19世紀後半にアメリカで展開された禁酒運動とA Modern Instanceで描かれる禁酒思想との類比関係を指摘することにより、アメリカ禁酒運動を南北戦争以前まで遡り、その科学的側面と宗教的側面について考察していく。科学的側面として、1880、90年代の公教育において実践された「科学的禁酒教育」を取り上げ、それをめぐる女性キリスト教禁酒同盟内での対立が、植民地時代以来受け継がれる伝統的ピューリタニズムと19世紀前半に起こった信仰復興運動との対立関係に起因することを指摘する。

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