年輪から見える永久凍土上に生育する樹木の地下部発達過程と成長制限要因

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Development processes and growth limiting factors of underground part of trees on permafrost derived from tree rings

抄録

<p>永久凍土上に生育するブラックスプルース(Picea mariana)について,年輪年代学的手法を用いて,1)根の発達過程と土壌環境変化の関係,2)肥大成長と気候要素との関係を明らかにした。アラスカ州カリブーポーカークリーク長期生態観測サイト北東向き斜面にサイトを設定した。1)について,サイトにつき5個体から株部分を採取し,年輪幅測定と目視によるクロスデイティングを行い,側根の発生時期と発生位置の特定を行った。斜面下部では浅い側根ほど発生年代が新しく,時間の経過とともに発生位置は上昇していた。側根発生位置の上昇は,有機物層厚の増加とそれに伴う深部の地温低下に起因することが示唆された。斜面上部では上昇傾向は認められなかった。2)について,年輪幅クロノロジーを構築したうえで月気象観測値との単相関分析を行ったところ,幹の年輪幅と3-5月の気温との負の相関が認められた。土壌凍結期での気温上昇に伴う蒸散が水ストレスをもたらしていることが示唆された。これらの知見を元に,永久凍土上に成立する森林の成長制限要因について整理する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155067392
  • NII論文ID
    130007880688
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_258
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ