山岳域における広葉樹と針葉樹の根生存戦略:細根呼吸と形態特性からの探求

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タイトル別名
  • Survival strategies of broad-leaf and coniferous roots in mountains

抄録

<p>本研究では,シラカバ,ダケカンバ,シラビソ,オオシラビソを対象に,樹木細根の根呼吸速度と根形態特性の山岳標高変化に伴う温度低下や土壌栄養の変化に対する応答を明らかにすることを目的とした.長野県乗鞍岳 (3026 m) の各標高地点(1450,1600,2000,2300,2500 m)を調査地とし,細根呼速度と比根長と根組織密度を2018年・2019年夏季に調査した.対象根系は平均直径が0.5 ㎜以下,0.5~1.0 ㎜,1.~2.0 ㎜の3階級に分けて採取を行った.カバノキ属であるシラカバ,ダケカンバは養水分吸収機能の高い0.5㎜以下の根系が標高変化に応答を示した.シラカバは比根長の増加と分岐頻度の低下が見られ,ダケカンバは根呼吸速度の増加,比根長の減少と分岐頻度の増加が見られた.モミ属のシラビソ,オオシラビソは養水分輸送機能の高い0.5㎜以上の根系が標高変化に応答を示し,シラビソは0.5~1.0㎜の根系の比根長の減少と根組織密度の増加が見られた.オオシラビソは0.5~1.0㎜の根系において根呼吸速度,比根長の減少と根組織密度の増加が見られた.標高が高くなるに従う生育条件の制限に対して落葉広葉樹は養水分吸収機能を,常緑針葉樹は養水分輸送機能を標高変化に対して応答すると考えられる.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155160704
  • NII論文ID
    130007880825
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_432
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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