ユキツバキの果実および種子生産に対するクローン繁殖の影響

DOI
  • 小濱 宏基
    新潟大学大学院自然科学研究科
  • 阿部 晴恵
    新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センター佐渡ステーション
  • 森口 喜成
    新潟大学大学院自然科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of clonal propagation on fruit and seed production of <i>Camellia rusticana</i>.

抄録

<p>2018年に新潟県のヤブツバキ(Camellia japonica)2集団,ユキツバキ(C. rusticana)3集団を対象に,SSRマーカー14座でクローン構造を解析した結果,ユキツバキ集団のみで旺盛なクローン繁殖が行われていることが明らかとなった(第130回森林学会発表)。クローン繁殖を行うと,単一のジェネットが優占し,同じジェネットに属するラメット間の隣花受粉による自殖の機会が増加する。自家不和合性を持つ種では,自殖は種子生産に負の影響を与えることが示唆されている。本研究では,ユキツバキの人工交配による自家不和合性の調査と,果実あたりの種子数の観察を行い,ヤブツバキと比較した。その結果,ユキツバキの結果率は他家受粉(67%)と比較して自家受粉(3%)が低く,ヤブツバキと同じように自家不和合性が高いこと,そして,果実当たり種子数はヤブツバキと比較して有意に少ないことが明らかとなった。これらの結果から,ユキツバキではクローン繁殖によって栄養繁殖の旺盛なクローンが徐々に優占していき,同じジェネットに属するラメット間の隣花受粉によって種子生産量が少なくなることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155201152
  • NII論文ID
    130007880883
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_483
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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