トドマツノキクイムシの穿入孔の空間分布

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タイトル別名
  • Distribution pattern of entry holes by <i>Polygraphus proximus</i>

抄録

<p>いくつかの樹皮下キクイムシの種では穿入孔の空間分布は一様分布を示す.また,森林で大量枯損を起こす樹皮下キクイムシ(e.g. Ips typographus)では,節での穿入孔密度がそれ以外の部分に比べて高いことがある.近年,樹皮下キクイムシの一種であるトドマツノキクイムシによるモミ属の枯損が発生,拡大している.しかし,トドマツノキクイムシの穿入孔の空間分布様式は明らかになっていない.そこで,トドマツノキクイムシの穿入孔の分布様式を明らかにするために,2019年春に,モミ属5種(モミ,ウラジロモミ,シラビソ,トドマツ,オオシラビソ)の丸太を5本ずつ,長野県の菅平高原に設置した.同年夏に回収し,丸太表面の穿入孔と節の位置を記録した.K関数による空間解析の結果,穿入孔の空間分布様式は全25本の丸太のうち,6本で一様分布のみ,3本で集中分布のみ,そして5本で一様分布と集中分布を有意に示した.また,節内と節の周辺,及びそれ以外の穿入孔密度は有意に異なり(Kruskal-Wallis test,χ2=45.1,df=4,p<0.001),節内で有意に高かった.これらの結果から,節に穿入孔が集中し,節によって穿入孔の分布様式が変化する可能性が示唆された.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155333120
  • NII論文ID
    130007881075
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_628
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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