秩父山地におけるヒナウチワカエデとコハウチワカエデの交雑実態

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タイトル別名
  • Hybridization of<i> Acer tenuifolium</i> and <i>Acer sieboldianum</i> in Chichibu mountains

抄録

<p>ヒナウチワカエデ(Acer tenuifolium)とコハウチワカエデ(Acer sieboldianum)はいずれもカエデ科palmata節の落葉樹木で、本州・四国・九州に分布する日本固有種である。両種の中間的な形態の葉をもつ個体が見られることから、種間雑種の存在が推察される。しかし、これまで遺伝マーカーを用いて両種の交雑の有無を検証した研究はない。そこで本研究では、核マイクロサテライトマーカーを用いた遺伝子型と葉の形態から、両種の交雑の実態を明らかにすることとした。</p><p>調査は、東京大学秩父演習林内の両種が同所的に生育する2集団で行った。ヒナウチワカエデとコハウチワカエデの合計171個体から、1個体あたり遺伝分析用の葉を1枚、形態測定用の葉を5枚、それぞれ採取した。</p><p>遺伝分析にはヒナウチワカエデで開発した核マイクロサテライトマーカー11座を用いた。次いで、得られた遺伝子型データで個体ベースのベイジアンクラスタリングを行った。その結果、クラスター数を2とした場合、各クラスターは互いに異なる1種に対応していた。一方、少数ではあるが2つのクラスターが混合している個体も見られ、両種が交雑している可能性は否定されなかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155403776
  • NII論文ID
    130007881172
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_738
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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