八郎潟干拓地に造成されたクロマツ防風林土壌の窒素無機化速度

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タイトル別名
  • Soil nitrogen mineralization rate in Japanese black pine forests in Hachiro-gata polder

抄録

<p>背景</p><p>近年、防風林の持つ多様な生態系機能に注目が集まっている。しかし、土壌の養分動態機能に関する知見は未だ少ない。そこで本研究では、干拓地に造成された防風林における土壌窒素無機化速度に影響する要因を検討した。</p><p>材料と方法</p><p>秋田県西部に位置する八郎潟干拓地に植栽されたクロマツ防風林を調査地とした。粒径組成が異なる3地点の土壌(粘土・シルト量の少ない順に、壌質砂土、砂壌土、軽埴土)を採取し、野外培養に用いた。すなわち、鉱質土壌を表層から0~5cm採取し、ポリエチレン製の袋につめた後、防風林土壌に埋設し、冬季の窒素無機化速度を測定した。また、土壌の全炭素・全窒素量、含水率、pH、ECを測定した。</p><p>結果と考察</p><p>冬季の窒素無機化速度は、壌質砂土で最も高く、砂壌土と軽埴土がそれに次いだ。pHとECおよび含水率は、軽埴土で最も高く、砂壌土と壌質砂土がそれに次いだ。全炭素量は壌質砂土で最も高く、軽埴土と砂壌土がそれに次いだ。全窒素量は軽埴土と壌質砂土が同程度で、砂質壌土より高かった。以上より本研究では、全炭素・全窒素量より、粘土やシルト量の増加に伴うECやpH値、含水率の上昇が窒素無機化速度を抑制した可能性がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775155417728
  • NII論文ID
    130007881194
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_824
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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