ファイルメーカープロ電子野帳による天然林モニタリングの効率化

磯田 圭哉, 福山 友博, 木村 恵

doi:10.11519/jfsc.131.0_794

<p>毎木調査時の記録方法として耐水紙を使用した野帳に鉛筆で記録し、調査後にPCへデータ入力するスタイルが最も一般的である。しかしながら、野帳への記述は誤読・誤記入も多く、誤りに気づくのは解析時ということも少なくない。本調査では電子野帳システムを用いて計測と同時にデータを入力することで、調査時の誤入力回避と調査終了直後の迅速なデータ確認を実現し、データ精度の向上を試みた。電子野帳システムはファイルメーカープロを用いて作成し、iPadを入力媒体として用いた。栃木県日光市に設置したミズナラ天然林で397本の毎木調査を行ったところ、調査対象木候補をリストアップするなど、調査サポート機能を活用することで雨天にもかかわらず従来の方法と遜色無い人数、時間で調査を終えることができた。また、野外調査時に入力も終了するため、これまで帰宅後に行っていたPCへのデータ入力時間を削減することができた。さらに、調査直後に外れ値を確認することで、即座に入力ミスデータを知ることが可能となった。本研究で開発した電子野帳システムの利用により、毎木調査データの高精度化と省力化が期待できる結果が得られた。</p>

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