人工金属タンパク質で緑膿菌を狙い撃ち

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • 緑膿菌が分泌するヘムタンパク質で金属フタロシアニンを送り込む

この論文をさがす

抄録

緑膿菌の強かな生存戦略の1つにヘム(鉄分)を奪い取るシステムがある.これを逆手に取り,緑膿菌のヘム獲得機構を標的とする殺菌手法を考案した.緑膿菌の分泌するヘム獲得蛋白質に金属フタロシアニンが内包されることを見出した.金属フタロシアニンを内包したヘム獲得蛋白質を緑膿菌に投与すると,緑膿菌に金属フタロシアニンが取り込まれる.光増感剤のガリウムフタロシアニンを内包させたヘム獲得蛋白質を用いることで,緑膿菌を高選択的に光殺菌できる.薬剤耐性化のリスクを抑えた新たな作用機序の抗菌薬としての応用が期待される.

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 56 (8), 749-753, 2020

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ