O-1-A14 重症心身障害児者医療の地域支援ネットワーク構築への試み

DOI

この論文をさがす

抄録

背景 近年、周産期医療の進歩により重症新生児の救命率が上昇し、生命予後の改善とともに気管切開、人工呼吸器管理、経腸栄養管理が必要な重症心身障害児(以下、重症児)が増えてきた。重症児は、出生後より医療的ケアを要し長期入院が必要で、なかなか在宅移行が進まず、在宅移行が出来たとしても家族の負担が増え、地域の支援が必須である。 取り組み 平成29年4月に80床の医療型重症心身障害児者施設を開設するにあたり、今後の中・西播磨地域における重い障害のある人たちの地域での健やかな育ちと豊かな暮らしの支援のために、さまざまな立場の人たちが集まりネットワークを構築することをコンセプトに、平成27年9月に重度障害支援ネットはりまを立ち上げた。医療として医師、看護師、福祉として姫路市地域自立支援協議会、福祉に関わる事業所、教育として養護学校、姫路市教育委員会、地域として姫路市肢体不自由児(者)のこれからを考える会など様々な主要組織のメンバーで構成された。月に1回の実行委員会、年2回の地域研修会、年2回の広報誌発行などを行い、重症児を支援するネットワーク構築を行っている。 活動 平成27年9月 第1回実行委員会 平成27年10月 第1回研修会 平成27年12月 広報誌発行 平成28年5月 第2回研修会 今後の課題 医療的ケアを必要とする人たちへの在宅療養支援を担う医療・福祉・教育の3本柱である医療機関、療育施設、教育機関がいまだ不足しており、重い障害のある人たちの地域での生活を支援するためには、地域の総合的な協力と取り組みが重要である。かかりつけ医の不足、急性期医療体制、訪問看護や訪問リハビリの充実などの医療的課題、ショートステイ・デイケア、通所・訪問介護、相談支援事業などの福祉事業の課題、教員への医療的ケア指導・普及や学校看護師の配置など教育現場の課題などを解決し、医療的ケアを必要とする人たちがさらに地域とともに暮らしていける支援体制の充実が必要。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ