極・超低出生体重児の小腸ストーマ閉鎖術の至適時期に関する検討

  • 山本 裕輝
    北里大学医学部一般・小児・肝胆膵外科学
  • 田中 潔
    北里大学医学部一般・小児・肝胆膵外科学
  • 出家 亨一
    北里大学医学部一般・小児・肝胆膵外科学
  • 追木 宏宣
    北里大学医学部一般・小児・肝胆膵外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of the Optimal Timing of Ileostomy Closure in Very Low and Extremely Low Birth Weight Infants
  • ゴク ・ チョウテイシュッショウ タイジュウジ ノ ショウチョウ ストーマ ヘイサジュツ ノ シテキ ジキ ニ カンスル ケントウ

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説明

<p>【目的】極・超低出生体重児の小腸ストーマ閉鎖術(以下:閉鎖術)の至適時期に関する検討は少なく,指標も明確ではない.当科での症例をもとに閉鎖術の至適時期についての検討を行った.</p><p>【方法】2004年1月1日から2018年12月31日までに当院で小腸ストーマ造設術を行った壊死性腸炎,限局性腸管穿孔,胎便関連性腸閉塞の患者のなかで極・超低出生体重児である30例のうち,閉鎖術が行われた19例(63.3%)を解析し,閉鎖術時の体重が1,500 g以上のA群11例と1,500 g未満のB群8例に分けて2群間での比較を行った.</p><p>【結果】A群は閉鎖術時の体重は2,100 g(1,610~3,640 g)で,B群では1,339 g(890~1,460 g)であった.A群では閉鎖術後ミルク開始日は4(3~23)日で,B群は6(3~19)日で有意差はなく,ミルクが100 ml/kg/dayになったのはA群は閉鎖術後10(6~31)日で,B群は閉鎖術後17.5(5~46)日で両群間に有意差はなかった.体重増加は,小腸ストーマ造設術から閉鎖術までの平均値はA群で11.8 g/day,B群で6.4 g/dayと有意差を認めたが,閉鎖術後から退院までの平均値ではA群は17.3 g/day,B群では17.1 g/dayと有意差はなかった.A群に再手術となった例を2例(18.2%),B群に再手術を1例(12.5%)認め,再手術率にも有意差はなかった.19例は全例生存し,術中合併症は認めなかった.</p><p>【結論】極・超低出生体重児の小腸ストーマ閉鎖術は体重が1,500 g未満でも安全に施行できると考えられた.</p>

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