開胸食道異物除去術を施行した有鈎義歯誤飲の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Accidental Ingestion of a Partial Denture, Treated by Thoracotomic Esophageal Foreign Body Removal

この論文をさがす

抄録

<p>症例は79歳男性.グループホーム入所中,嚥下困難を主訴に近医を受診.CTで胸部食道内に義歯を指摘されて上部消化管内視鏡検査を施行するも,義歯の留め金が粘膜に埋没し縦走潰瘍を形成しており当院紹介となった.全身状態は安定していたが炎症反応の上昇を認めた.CTでは縦隔炎の所見は認めなかったが,内視鏡的除去は困難と判断し手術となった.右開胸すると食道壁外から義歯を確認できたため,食道を縦切開し52mm大の義歯を摘出した.明らかな穿孔や縦隔炎を疑う所見は認めなかった.切開部を単純縫合閉鎖し胸腔ドレーンを留置し閉胸した.クラスプを有する義歯による食道異物に対して異物除去のみで治療しえた報告は少ない.本症例は明らかな穿孔や縦隔炎の合併がなかったこともあるが,食道異物除去,単純縫合閉鎖のみで良好な経過であったので報告する.</p>

収録刊行物

参考文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ