エサキセレノン(ミネブロ<sup>®</sup>錠1.25 mg・2.5 mg・5 mg)の薬理学的特徴及び臨床試験成績
書誌事項
- タイトル別名
-
- Pharmacological profile, clinical efficacy, and safety of esaxerenone (Minnebro<sup>®</sup> tablets 1.25 mg, 2.5 mg, 5 mg)
- 新薬紹介総説 エサキセレノン(ミネブロ錠1.25mg・2.5mg・5mg)の薬理学的特徴及び臨床試験成績
- シンヤク ショウカイ ソウセツ エサキセレノン(ミネブロジョウ 1.25mg ・ 2.5mg ・ 5mg)ノ ヤクリガクテキ トクチョウ オヨビ リンショウ シケン セイセキ
この論文をさがす
説明
<p>エサキセレノンは,非ステロイド型の新規選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRブロッカー)であり,従来のステロイド構造のMR拮抗薬とは異なるMR複合体を形成し,より強いMR拮抗作用と高いMR選択性を発揮する.In vivoでは,尿細管MRの活性化の指標である尿中ナトリウム/カリウム比を低下させ,食塩感受性高血圧モデルでは食塩負荷に伴う血圧上昇,尿中蛋白排泄の上昇及び腎臓の組織病変を,用量依存的に抑制した.エサキセレノンは「細胞膜透過性が高く,経口投与後速やかに吸収されて細胞内に到達する」,「生物学的利用率が高く,血中曝露の個体間差が少ない」,「酸化,グルクロン酸抱合,加水分解など複数の代謝経路により血中から消失するため薬物相互作用を受けにくい」,「主に肝臓で代謝され,未変化体の尿中排泄はわずかなため高齢者や中等度の腎機能障害患者の血中曝露は非高齢者や正常腎機能患者と同様である」といった薬物動態的特徴を有し,ヒトでの半減期は約19時間で,1日1回の投薬で持続的な降圧効果が期待できる.本態性高血圧症を対象とした第Ⅲ相臨床試験ではエプレレノンに劣らない降圧効果が確認され(ESAX-HTN試験),長期投与試験では単剤治療,及びレニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬やカルシウム拮抗薬との併用治療ともに52週間にわたる安定した降圧効果が確認された.さらに,RA系阻害薬投与中の中等度の腎機能障害患者やアルブミン尿を有する2型糖尿病患者に対しては,血清カリウム値など患者の状態を確認しながら低用量からエサキセレノンを漸増することで,高カリウム血症の発現率を低減しつつ,安定した降圧効果を示した.本邦では2019年1月に高血圧症治療薬として製造販売承認され,中等度の腎機能障害患者やアルブミン尿を有する糖尿病患者に対しては血清カリウム値に注意しながら慎重投与が可能となった.</p>
収録刊行物
-
- 日本薬理学雑誌
-
日本薬理学雑誌 155 (5), 340-350, 2020
公益社団法人 日本薬理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390566775163518976
-
- NII論文ID
- 130007894592
-
- NII書誌ID
- AN00198335
-
- ISSN
- 13478397
- 00155691
-
- NDL書誌ID
- 030648576
-
- PubMed
- 32879177
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- OpenAIRE
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可